羽根屋

いま富山の地酒全体が支持されているのを肌で感じています。

食事と合わせる淡麗な酒が主流のため、香り華やかな酒は多くありませんが
21世紀に入り、手頃な価格帯の酒にも吟醸香を前面に出した
スタイルを打ち出したのが羽根屋でした。

蔵元杜氏の羽根敬喜さんは、酒蔵に入り
ひたむきに酒質の向上に励む謙虚な職人。

「すべての酒を大吟醸と同じように醸す」

相当な覚悟が無いと言えない。

何故なら1年中、醸してるのだから。。。

四季醸造を始めたのは利益追求のためではありません。
人気が急激に加熱し在庫が枯渇、欠品が相次いだ反省から、
お客様に迷惑をかけないという強い思いから決断されました。

大手メーカーと違い、少人数で1年間作り続けるというのは
想像できないほど、大変なことでしょう。

奥様は蔵の生き残りを賭け、羽根屋が無名の時から
10年以上、営業活動へも意欲的に取り組んできました。

新作が蔵出しされる度に告知を欠かさず
試飲会、日本酒会、SNSなどでファンを増やしてきた結果、
「羽根屋 純米大吟醸50 翼」は酒質と告知が噛み合います。

JALのファーストクラスのラウンジでも採用され、
2016年には最高権威と評価される品評会
「IWC インターナショナルワインチャレンジ」にて
金メダルを獲得しました。

リリース当初は無名に近かった羽根屋ですが、謙虚なお二人が積み重ねた努力により
富山で最も顔の見える酒蔵となっています。

30代以下が酒類を飲まないと嘆かれる中、
羽根屋を目当てに足を運ぶカップルを見ると
日本酒のミライは明るいなと感じますね。

羽根屋、千代鶴、勝駒、林、満寿泉。。。
いま熱狂的に支持されている銘柄の共通点は
造っている蔵元が謙虚な勉強家だという事。

自らは量産しないが他メーカーの否定を絶対にしない。
ただ何も言わず貪欲に全てを糧とし一歩ずつ前進。。。

富山の酒造りの根本には、
飲み手の気持ちを考える優しさがあるのでしょう。

富山市が誇る酒蔵です。誠実にひたむきに後継者の羽根敬喜さんが自ら杜氏となるべく醸しています。
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